日本近代絵画の父に会いに 〜 黒田記念館
2005-09-24


公開日が木曜と土曜の午後だけという美術館にようやく出かけることができました。そこには「湖畔」をはじめとする黒田清輝の作品があり、しかも、無料で公開されています。建物自体も東京都の文化財のようで、いつも中に入ってみたいと思って、その前を通り過ぎていました。

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展示室は、2階にありました。順路に従って右側の展示室に向かうと、いきなり「湖畔」が正面に迎えてくれます。テレビの「美の巨人たち」で日本のもっとも美しい女性の肖像画に選ばれた作品です。淡い色使いの中で湖畔に腰掛けている女性は、とても色っぽくて見惚れてしまいます。

この部屋には、黒田がレンブラントを意識して描いたという「祈祷」や印象派の技法を使った「赤髪の少女」も展示されていました。彼の作品には、ヨーロッパの絵画にも負けない凄みがあり、日本近代絵画の父と称されることがよく判ります。そして、この部屋には、あさぎが以前から気になっていた「智・感・情」の裸婦像がありました。

この「智・感・情」は、「湖畔」と共に1900年のパリ万博に出展され、好評を受けた作品だそうです。作品は、右が「智」、真ん中が「感」、左が「情」となっていて、女性は似ていますが、モデルは一人ではなく姉妹だそうです。女性像は、等身大よりやや大きい感じがしますが、その表情とポーズが気になります。新聞社へのインタビューでは、智は、Ideal(理想)、感は、Impression(感動)、情は、Real(現実)と答えているそうですが、哲学的な世界が展開して深く惹きつけられます。

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黒田清輝「智・感・情」

※黒田記念館
※美の巨人たち
[展覧会]

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