ずっと探してる 〜 大回顧展モネ 印象派の巨匠、その遺産
2007-04-21


六本木にモネの作品が集まりました。新美術館としては、最初のビックイベントではないでしょか? 広い会場には、平日にも関わらず多くの人が集まっています。やはり、印象派の画家と日本人は、相思相愛の仲なのです。

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展覧会は、モネが印象派として登場した初期の作品から晩年の『睡蓮』までを、国内外のコレクションで構成しています。彼に影響を受けた画家たちの作品も、ところどころおりまぜて100点あまりの展示になっています。すてきな作品も多くあり、良くこれだけ集めたと思います。

さて、初期の作品には、人物画があります。やはり、その中でも『日傘の女性』は、印象的です。同じ作品をいくつか描いていますが、この作品は日傘の下の表情まで判るものです。彼の描く空の色は、初夏の乾いた空気を表現していて、とてもすがすがしい思いがします。

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クロード・モネ「日傘の女性、1886」

白いドレスの女性は、最愛の人カミーユなのでしょう。その姿には、彼の愛情を感じます。そこからは、彼女が彼にとっての天使であり、草原に咲く白い花だったようにも思えます。貧乏でも幸せがそこにあったのでしょう。

なぜか全盛期から晩年にかけては、風景画に専念しています。これは最愛の人カミーユを失ってしまったからであるように思います。画家という職業に徹して、大切なものを封印するような感じがしてきます。

荒々しい海岸、幻想的な霧、素朴な積みわら、そして、睡蓮にたどり着く・・・。なんとなくですが、彼は、ずっとカミーユを探していたのではないかとも思えてきます。あの夏の日に戻りたい、そんな気持ちがしてくる作品もあるように思います。

※大回顧展モネ 印象派の巨匠、その遺産
[展覧会]

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