マイナスをプラスに変換するアートの力 〜 横浜トリエンナーレ2011
2011-08-28


毎回アートプロデューサーとメイン会場が変更になる横浜トリエンナーレですが、今回で第4回目を迎えようやく地域に定着してきたようにも思えます。しかし、過去を振り返ると、回を重ねる毎にトリエンナーレ自体の方向性が変わることは、主催者側にも見る側にも混乱を与えかねません。

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町おこし的なイベントとして捕らえるような企画であれば、アートを文化として定着させる目的から外れてしまう危険性があります。それを悟ったのかは判りませんが、今回のアートプロデューサーは現横浜美術館館長の逢坂恵理子を起用しました。

彼女の経歴は、国内なら水戸芸術館や森美術館における現代アートの企画やディレクションなどに定評があります。また、ヴェニス・ビエンナーでは日本館でキュレーションを行うなど、現代アートの祭典を盛り上げる期待は大きいと言えます。

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主会場は、横浜美術館と日本郵船倉庫になります。規模的には以前よりもコンパクトである印象を受けます。また、横浜市のバックアップも特別大きいものではないようで、会場間のシャトルバス運行などを覗いて、アートボランティアが活躍すると言った雰囲気は薄い感じです。

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まずは、横浜美術館会場ですが、美術館前に設置された作品以外は、あまり普段と変わりがないような感じがしました。期間中、通常通り休館日もあることから、やはりアートを借りた町おこしイベントからは少し距離を置いたのではないでしょうか。

節電という制約があるように思いますが、美術館の中に入ると暗さを感じます。しかし、それがなかなか良い雰囲気を出しているようで、怪我の功名ではないですがマイナスをプラスに変換するアートの力ならでは効果なのです。

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そこにあるものを活かす…意外に大切なことですが、今回の会場ではそのような試みが出来ています。例えば、横浜美術館には多くの常設展示の作品があります。絵画のみならず彫刻など、簡単に移動出来ないものたくさんあるのです。

その作品をあえて片付けず、現代アートのインスタレーションなどに組み込むことで、新旧作品がコラボレーション効果をもたらし調和と斬新さを導いています。なかなか見事な仕事だと思います。

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会場には、まだそれほど多くの人が訪れてはいないようですが、ワークショップなども開催されているようなので、いろいろ遊べる要素もちりばめられているようです。子供たちに見せたら、喜びそうな作品もたくさんあるので、会期末まで頑張ってほしいものです。

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[展覧会]
[*インスタレーション]

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