大切にしたこと 〜 アール・デコの館
2011-10-28


建物の改修や増築、バリアフリーなどの目的で改装に入る美術館が増えてきました。旧朝霞宮邸でもある東京都庭園美術館も、来月から3年の長期間の休館となります。残念ですが、美術館には必要なことなのでしかたがありません。

休館前の展覧会は、「アール・デコの館」という美術館自体を見せる人気の企画展です。もともと旧朝霞宮邸は、朝香宮鳩彦王の妻である允子内親王(1891-1933)がパリ滞在中に夢中になったアール・デコ様式を新宮邸に取り入れたものです。

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設計は宮内省内匠寮ですが、内装にはフランスのアデザイナーであるアンリ・ラパン(1873-1939)が担当しています。そして、装飾品の一部にはアール・デコの巨匠でもあるルネ・ラリック(1860-1945)の作品が採用されています。

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庭園美術館では、これらアール・デコの作品を活かした企画展を多数開いてきました。作品と作品の相乗効果により、展覧会を印象深いものにするのが好評になっています。もちろん、その逆の効果となるところもあったりしましたが…

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庭園美術館の中でいちばん好きなのは、さまざまなデザインの照明機器です。100年近く時間が過ぎているのですが、斬新なデザインは現在のデザインにも引けを取りません。その証拠にどんな企画展でも、多くの人が天井を見上げる風景に出会います。

そして、いちばん人気は、2階の階段のところに吊り下げられているコンペイトウの照明です。赤、青、緑、白のガラスが微妙に組みされています。今回もその可愛らしい姿に多くのシャッターが切られていました。

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大きな窓から見下ろす庭園もまたおもむきがあります。室内は、フェルメールの絵に出てくるような白黒の床のデザインと、外に見える緑が癒しの空間となっています。展覧会の休憩ポイントとしては、なかなか良いものです。

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特別展示だったと思いますが、ラリックのガラス作品がカメラアングルとしてすてきな背景を持って展示されていました。写真の腕はいまひとつですが、狙ってみたい構図が目の前にあるとちょっとテンションも上がったりします。

普段の展覧会では出来ない作品との触れ合いは、何と言えず良いものです。絵画は別として装飾品や造形作品は、カメラ目線で見ると新しい発見や美しい視点を見つけることが出来ます。課題はありますが、作品を触れ合う企画を多くの美術館でも取り入れてほしいものです。

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[展覧会]

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